第16章 刀鍛冶の里
炭「小鉄くん!!」
心配して小鉄の名を呼ぶ炭治郎に時透は己の折れた日輪刀を投げる。
炭「うわっ!!」
頭を打ってしまう炭治郎。
時「それ処分しといて。」
炭「……。」
炭治郎は打った額をおさえながらスタスタと歩き去っていく時透の背を見つめる。
『ごめんなさい、炭治郎くん。
あれでも悪気はないんです。』
申し訳無さそうに謝る杏。
炭「はい。わかってます。わざとやってるわけではないんですよね…。………あの鴉は全力で悪意ありそうですけど…。すごい下に見てます、俺を…。」
炭治郎の言葉に杏も苦笑いを零す。
『まぁ、銀子ちゃんは無一郎くん大好きなので…。………悪気はないとしても、今のが良くない対応だったのは確かですから私が言ってきます。祈里さんと音羽さんが小鉄くんと絡繰人形のところにいると思いますから、額診てもらってください。』
最後にもう1度ごめんなさい、と言って急いで時透の背を追いかけた。
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『無一郎くん!!』
思っていたより先を歩いていた時透に走って追いつく杏。