第15章 上弦ノ月
──べん
──べべん
──べん
琵琶の音が響き渡る物理法則を無視した屋敷。
猗窩座はその屋敷で琵琶を打ち鳴らす女を見上げていた。
玉「ヒョッ。これはこれは猗窩座様!!
いやはや、お元気そうで何より。
90年振りで御座いましょうかな??」
上弦ノ伍である玉壺が壺から現れる。
玉壺は気持ちの悪い笑い声を出しながら猗窩座に話しかける。
玉「私はもしや貴方がやられたのではと心躍った…ゴホンゴホン!!心配で胸が苦しゅう御座いました。
ヒョヒョッ。」
半「恐ろしい恐ろしい。暫く会わぬ内に玉壺は数も数えられなくなっておる。呼ばれたのは130年振りじゃ。割り切れぬ数字…。不吉な丁。奇数!!
恐ろしい恐ろしい…。」
怯えたような声を漏らすのは上弦ノ肆である半天狗。
物陰に隠れ、震えている。
猗窩座はこれら2匹の鬼を無視し、再び琵琶を打ち鳴らす女を見上げる。
猗「琵琶女。無惨様はいらっしゃらないのか。」
──べん
鳴「まだ御見えではありません。」
猗「なら上弦ノ壱はどこだ。
まさかやられたわけじゃないだろうな。」
琵琶を打ち鳴らす女、鳴女に更に問いかける。