第12章 邂逅
「かしこまりました。」
『ありがとうございます。
では、行きましょうか。』
不「あァ。」
隠への伝達を済ませ、出発しようとしたところに1羽の鴉が飛んできた。
サ「杏!!大丈夫ナノ!?」
『サクラ!!大丈夫よ。
そんなに慌ててどうしたの??』
もの凄い勢いで杏の胸に飛び込んできたサクラを優しく撫でてやる。
サ「オ館様ニ報告ニ行ッタラ嫌ナ予感ガスルト言ワレタノヨ!!無事デ良カッタワ!!」
『お館様が…。そう、心配かけてごめんね。』
サ「伝言ヨ。報告ハ後デイイカラ先ニ蝶屋敷デ治療シテオイデ、ダソウヨ。」
『わかったわ。ありがとう。』
かなり急いで飛んできてくれたのだろう、木にでもぶつかったのか、サクラの身体は傷だらけだった。
不「行くかァ。」
『はい。サクラ、ゆっくり休んで。』
腕の中でサクラ包み、優しく微笑む。
すると安心したのか、ゆっくり眠り始めた。
不「走れるかァ。」
『大丈夫です。』
杏が返事をすると同時に駆け出す2人。
怪我もあり、行きよりは少し時間がかかってしまったが、昼過ぎには蝶屋敷に辿り着くことができた。