第10章 番外編 猫
炭治郎が蝶屋敷で必死に鍛錬していた頃……
サ「カァァー!!カァァー!!指令ヨー!!」
花屋敷の庭に響き渡るサクラの声。
庭で木刀を振るっていた杏は手を止め、サクラに向けて手を伸ばす。
『お疲れ、サクラ。』
伸ばされた腕にとまるサクラ。
サ「アル山デ沢山ノ人々ガ行方不明!!
風柱ト共二赴ケ!!」
『ありがとう。』
サクラから指令を聞き、衣装部屋から羽織と日輪刀を手に取る。
『さぁ、行きましょうか。』
サクラを肩に乗せ、不死川邸へと走る。
不死川と任務のときはいつもこうだ。
杏が不死川邸に行き、そのまま任務地へと向かう。
『この間も不死川さんと合同任務だったわよね。
最近多いわね。』
サ「ソウネー。デモ、ヨカッタジャナイ。」
『なにが??』
サ「風柱ト2人ヨー。」
『……不死川さんはそんなのじゃないっていつも言っているでしょう??』
サクラの誂うような言葉に少しムッとしながら返す杏。
サ「アナタガソウデモムコウハ分カラナイワヨー。」
『どうして??』
サ「アノ風柱ト仲ガ良イノアナタクライジャナイ。」
『そんなことないわよ。伊黒さんや煉獄さん、宇髄さんとも仲良いじゃない。』