第9章 夢
不死川の睨みに怯むことなく、淡々と返す杏。
『甲ともなれば自分の戦い方はある程度定まっています。それに、乙から甲に上がるのは難しく、苦労してる者も多いでしょう??どうせ指導するのなら既に柱に近い実力を持った者ではなく、持たない者たちを指導して少しでも柱に近い実力を持つ隊士を増やしたいじゃないですか。』
杏のもっともすぎる意見に何も言えなくなる不死川。
お「わかった。その条件で探してみよう。」
『お館様、最後に1つだけよろしいですか??』
お「勿論、何でも言ってごらん。」
『…本人に確認してほしいのです。
本当に嫌じゃないのか。』
お「…わかった。ちゃんと確認をとろう。
断る者がいれば、他の隊士に頼むから心配しないでおくれ。」
『ありがとうございます。』
畳に額が付くほどまで頭を下げる。
お「これからも桜柱として任務に邁進しておくれ。」
『御意。』
お館様はうん、と頷きしのぶへと視線を向ける。
お「しのぶ。杏はもういつ任務に復帰しても大丈夫なのかい??」
し「そうですね…。2,3日は機能回復訓練を行ったほうがいいかと思われます。元のように動けるようになれば実践あるのみですね。」