第3章 壊された幸せ
山奥にある立派なお堂。
門に“万世極楽教”と書かれた札が掛かっていた。
「申し訳ございません、教祖様。あの甘味処の末の娘を連れてくることができませんでした。」
4姉妹の店で暴れていた信者である男が頭を地面につけ、虹色がかった瞳、白橡色の髪をもつ男に謝っている。
その男の右目には“上弦”、左目には“弐”と書かれていた。
その男は頭を地面にこすりつける信者を見て、悲しそうな顔をしている。
「そうか…。それなら仕方がないね…。
とりあえず…、
死んでくれるかい??」
悲しそうな顔のまま信者にそう告げる。
「そ、そんな…!!お待ちください、教祖様…!!」
頭を上げ、必死に弁解する信者。
そんな信者を見ながらにっこりと笑う男。
「大丈夫、怖がることはないさ。
俺は今から君を救ってあげるんだ。」
「す、救う…??」
男の言葉に震えながらも問いかける信者。
「あぁ。君を開放してあげるんだ。君は俺の一部になることで永遠の存在になれるんだ。」
「それは、どういう──」
──ザクッ