第8章 無限列車
『はいっ!!』
すぐさましのぶが指示を出し、杏も慌てて動き出す。
しのぶは羽織の袂から木箱を取り出し、薬を調合していく。
杏も倒れている人たちを片っ端から確認して脈や息を確認する。
『みんな弱いけど息がある…。』
一通り確認し終わり、考え込む杏。
しのぶは1人ずつ見ていき、その場で適切な処置をしていく。
杏(流石しのぶさん。
これでこの人たちは恐らく大丈夫…。
でも、おかしい。なんで誰も死んでないの??
見たところ、この状態になって一週間以上経っている人もいる。)
皮膚や衣服の汚れの状態から2日くらいの人もいれば、一週間以上経っている人もいる。
普通、鬼ならすぐに食べるはず。
人の血肉は奴らの大好物だ。
それを食べない、それどころか殺さない…、
杏(一体、どういうこと…??)
難しいことを考えるのは苦手だ。
『しのぶさん!!』
とりあえずしのぶと情報を共有するため、治療をしているしのぶのもとへ戻る。
し「杏さん。状況は……」
『よくわかりません…。
ここに倒れている方々はみんな弱いけど息はあります。ですが、おかしいんです。』