第45章 繋がる記憶
無惨による衝撃波が繰り出される直前。
杏を含めた柱たちは無惨が何か仕掛けてくるのを肌で感じていた。
杏(…大技が来る。祈里さん…音羽さん…は大丈夫。あとは…カナヲちゃん…!!)
杏はサッ、と辺りを見渡し、今姿が見えていない柱じゃない隊士たちの位置を風の音や砂を踏む音、息遣いを感じ取る。
そしてある一点を目指して走り出した。
杏(善逸くんと伊之助くんの近くに悲鳴嶼さんと冨岡さんがいる。祈里さんと音羽さんは無惨と少し距離がある。攻撃を受けても致命傷にはならない。カナヲちゃんは無惨に近すぎる…!!この子は、無事に帰さないと…しのぶさん…!!)
バッ、とカナヲの前に出たその瞬間、無惨が動き出す。
刀を構えながらも如何にすれば致命傷を受けずに済むか、そのことだけが脳内を巡る。
杏(っ、受けきれない…!!)
杏が覚悟を決めたそのとき、杏の目の前に1つの白い影が落ちた。
その白い影──…に驚き、目を見開く。
『しな、』
しかし次の瞬間、吹き飛ばされたことにより札が取れて見えるようになった不死川を受け止める形で杏もの凄い勢いで吹き飛ばされた。
──ドォォォォンッ