第41章 復活
輝利哉様の合流命令に各々が動き出していたとき──…
炭治郎と冨岡も合流すべく足を動かしていた。
──ベベン、ベンッ
何処からか聞こえてくる琵琶の音。
それと同時に足場が急に動き始めた。
──ベンベンベンッ
ぐるぐると勝手に動いていた足場はやがてピタリと止まる。
──ベベンッ
目の前にいる者──…無惨を視界に捉えた。
その瞬間、炭治郎には沢山の感情が駆け巡っていた。
炭「ハァッ、ハァッ、ハァッ」
家族の殺された姿。
鬼になってしまった禰豆子の涙。
鬼によって失った仲間達。
──ギシッ
握る刃に力が込もる。
今までに無い程凄まじい圧で睨み付けており、今にも飛び掛からんとする勢いだ。
冨「炭治郎、落ち着け。」
炭「ハァ、ハァッ」
冨「落ち着け…。」
炭治郎に冷静さを取り戻すよう諭す冨岡。
けれど、彼もまた鬼によって大切な人達を失った1人。
冷静さを失わないように意識を保ちながらも、その目は鋭く無惨を睨み付けていた。
そんな張り詰めた空気を破ったのは──…無惨だった。