第41章 復活
か「輝利哉様」
く「輝利哉様!」
お2人が黙り込んでしまった輝利哉様へ懸命に言葉をかける。
けれど、絶望に追い込まれてしまった輝利哉様には彼女達の懸命な声も届かない。
輝(皆が、何百年もこの日のために…無惨を倒すためにしてきた事が全て…。何もかも僕のせいで無駄に…。)
──バシィッ
輝「…!!」
呆然としたまま動かなくなった輝利哉様の左頬にくいな様は平手打ちを放った。
その衝撃で輝利哉様はその場に倒れ込む。
かなた様は顔を青ざめながら2人の成り行きを見守る。
く「しっかりなさいませ“お館様”!!早く次の指示を!!戦いはまだ終わっていません!!」
くいな様の懸命な叫びに輝利哉様は目を見開く。
輝(そうだ、お館様…。父上も、お爺様も、みんなみんな…同じ重圧と苦しみに耐えてきたんだ…。)
その事を思い出した輝利哉様は直ぐに体を起こし、再び机へ向かった。
輝「無惨の位置を捕捉し続けろ。鴉はとにかく“目”を撒け。攻撃の間合いが とてつもなく広い。奴との距離を決して詰めるな。柱を直ちに集結させる。他の隊員も全て。一刻も早く戦力を一処に集めるんだ!!」
指示をし終えると、輝利哉様はかなた様とくいな様にぽつりと呟くように声をかけた。
輝「かなた、くいな、ありがとう…。」
か「…。」
く「はい。」
お2人ももまた、"お館様"としての重圧と必死に戦う輝利哉様を想い、涙を浮かべながらコクリと頷いた。