第41章 復活
杏、不死川、悲鳴嶼それぞれがとりあえずの応急処置を終え、水分補給など束の間の休息を取っていた。
『玄弥くんは隠に任せましょう。サクラに探しに行かせました。』
不「あァ。一先ず出発は隠を待ってからか。」
悲「あと、時透が目覚めるなら連れて行こう。」
そんな話をしていたときふと、不死川が呟いた。
不「そういえば悲鳴嶼さん、痣出してたなァ。」
『…え??』
その小さな呟きに杏は携帯食を口に運ぼうとしていた手が止まる。
そしてすぐに悲鳴嶼本人に確認を取るべく振り返る。
『悲鳴嶼さん…それ本当ですか??薬は??』
悲「あぁ…。まだ飲んでいない。私はすでに…25を超えている。私が飲むより他の若い者が痣が出たときのために取っておいた方がいいからな。」
当然だと言わんばかりの悲鳴嶼の言葉に杏は声を荒げる。
『何言ってるんですか!!折角しのぶさんが悲鳴嶼さんに、と準備してくださったんですよ!?飲んでください!!諦めるなんて許しませんよ。貴方は私の命の恩人です。私たち姉妹を助けにきてくれた恩人です。私は絶対に貴方を諦めませんからね!!』
悲「しかし…」
『しかしじゃありません!!それにしのぶさんだって私と同じ想いのはずです!!しのぶさんとカナエさんにとっても貴方は恩人なのでしょう??』
杏の圧に押され、言い淀む悲鳴嶼に杏はさらに続ける。