第40章 兄弟
黒死牟の体は再生することなく、サラサラと消えて行く。
それなのに、不死川はずっと攻撃を止めずにいた。
あれだけの深傷を負ったまま全力で攻撃し続ければ不死川の体も無事では済まない。
戦いはこれで終わりではないのだ。
なんとか彼を止めようと、悲鳴嶼はいまだ攻撃を止めない不死川へ向かって叫んだ。
悲鳴 「不死川、一旦攻撃を止めろ!!鬼はもう再生していない!!」
けれど、消え行く最後の欠片に猪のように向かっていく不死川。
悲「!!」
そんな不死川の異変に気づいた悲鳴嶼は慌てて彼の元へと駆け寄った。
──ガッ
悲「不死川!! 終わりだ!!」
不の体を抱えるように掴み、何度も何度も声をかける。
不「シィィィィイイッ」
悲「上弦ノ壱は倒した!!戦いは終わった!!もう終わりだ!!」
何度も何度もいい聞かせていると、不死川の反応がぴたりと止まった。
そして、
──ガクッ
そのまま悲鳴嶼の腕の中で動かなくなった。
悲(信じ難し…!!意識を失って尚、動き続けるとは…。)