第38章 柱の矜持
黒死牟へと攻撃を仕掛ける鬼殺隊の4人の柱。
ー 桜の呼吸 陸ノ型 花嵐 ー
ー 霞の呼吸 伍ノ型 霞海の海 ー
悲鳴嶼と不死川の攻撃の合間を縫って杏と時透が黒死牟に斬り込む。
その姿を見た黒死牟が刀を振うため僅かに腕を動かした。
不「こいつの技は一振りの斬撃の周りに不規則で細かな刃が付いてる!!避けたつもりでも食らうぞォ!!」
その技が放たれる直前に不死川が杏と時透に向かって叫ぶ。
杏(っ、これは駄目だ…!!)
杏は不死川の言葉と受けようとしていた攻撃から途轍もない悪寒を感じ、慌てて飛び退く。
ちらり、と視線をやると時透も悲鳴嶼の近くまで退いていた。
『とんでもないですね…。』
不「あァ。まさに化け物だなァ。」
杏も不死川の隣まで跳び、ふっと笑みを溢す。
不「だが、柱4人。これ以上の援軍は望めねェな。」
『ですね。やるしかないなら…やりましょう。』
そう呟き、悲鳴嶼と時透の方へと視線を向ける。
盲目の悲鳴嶼もその空気を感じ取り、ほぼ同時に動き出した。