第38章 柱の矜持
一方、悲鳴嶼と不死川は黒死牟の猛攻に必死に喰らいついていた。
ー 月の呼吸 漆ノ型 厄鏡・月映え ー
本来であれば、攻撃の届かない間合いの外側にいる2人の元へと届く広範囲攻撃。
悲(何という間合い!!攻撃範囲が倍以上伸びた。そしてこの速さ…まずい!!)
攻撃を躱すのがやっとで斬り込むことなどできない。
焦りが募っていく最悪な状況。
ー 月の呼吸 捌ノ型 月龍輪尾 ー
──ビッ
避けても避けても斬撃が届く。
何とか悲鳴嶼は鎖で防ぐが、細かい斬撃までは防ぐことができず、小さな斬撃が不死川足を掠り傷を負わせる。
ただでさえ近づけない。
しかし、これだけ離れた距離からも敵側の攻撃は通る。
この滅茶苦茶な状況に不死川もどんどん焦りが募る。
不(頸を狙えねぇ、近づけねぇ!!速すぎてやべぇ!!攻撃を避けることだけに渾身の力を使ってる!!)
ー 月の呼吸 玖ノ型 降り月・連面 ー
今度は雨のように上から降り注ぐ斬撃。
どれだけ渾身の力を使って避けていても、降り注ぐ無数の斬撃を手負いの人間が全てを避けれる訳もない。
──ザシュッ
不「ぐっ、」