第38章 柱の矜持

2人の技が重なり、加速し、黒死牟へと襲いかかる。


──ｻﾞｼｭｯ


凄まじい衝撃で、黒死牟の纏っていた着物が破れた。


それでも、刀一つで防がれてしまい、傷を負わせることは叶わない。


悲「まだだ！！畳み掛けろ！！」


それでも尚、何度も立ち向かう。


悲「頸を…頸を斬るまでは！！頸を…！！」


そう声を掛け合いながら、再び連携するため刀を向ける2人の方を黒死牟はｼﾞﾛﾘと振り向き見た。


黒「その通りだ。」


その刹那──


──ｽﾞﾊﾟｯ


悲鳴嶼と不死川の身体の色んな箇所から血が噴き出した。


悲（馬鹿なっ…何をされた！？）


刀一振りで攻撃が届く範囲から外れているにも関わらず、攻撃を受けたことに悲鳴嶼は理解が追いつかない。


悲（この間合いで攻撃が届くだと！？奴は何をした！！何を！！）


──ﾋｭｵ


辺りに風が吹き、恐らく黒死牟が放ったであろう技により砂埃が立ち込めていた空間が晴れ、悲鳴嶼と不死川に傷を負わせたものが顕になる。


黒「着物を裂かれた程度では…赤子でも死なぬ……。貴様ら2人を討ち果たしてしまえば…残りは容易く済みそうだ…。」


黒死牟の手に握られていた刀が形態を変え、刃が枝分かれし 七支刀へと姿を変えていた。