第37章 祈り
その杏の笑顔に不死川も初めてフッ、と笑みをこぼす。
不「あァ。」
自分に伸ばされた杏の手をとり、柱たちの元へ向かった。
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──生きて欲しい。生き抜いて欲しい。
そんな亡き友人の言葉が、願いが、"祈り”が、不死川を再び動かす原動力となる。
──ガキィイン
振り下ろした黒死牟の刀が鈍い金属音と共に防がれた。
不死川の手に握られていたのは玄弥の南蛮銃。
そして、その引き金を躊躇うことなく引いた。
──ドンッドンッ
しかし、直ぐに反応した黒死牟は刀で全ての弾を防ぐ。
不(畜生、かすり傷すら…っ!!)
そんな不死川に止めを刺すべく黒死牟は刀を振るう。
ー 月の呼吸 参ノ型 厭忌月・銷り ー
技の威力で辺りに砂埃が立ち篭る。
少しずつ晴れていく砂埃の中、黒死牟の視界に不死川の姿はなかった。
これには黒死牟も思わずぼやく。
黒「次々と…降って湧く…。」
──ジャリイィッ
悲「我ら鬼殺隊は百世不磨。鬼をこの世から屠り去るまで…。」