第37章 祈り
兄を想い、啜り泣く弟の声を兄は黙って聞いていた。
そんな会話を黙って聞いていた黒死牟は2人を見ながら口を開いた。
黒「ほぅ…兄弟で鬼狩りとは……“懐かしや”…。」
黒死牟の言葉を聞いた瞬間、不死川の怒りが湧き上がる。
不「よくも俺の弟を刻みやがったなァ糞目玉野郎ォオ!!許さねェ許さねェ許さねェェ!!!」
不死川は怒り言葉を叫びながら黒死牟へと刃を向け走り出す。
黒死牟もすぐに攻撃に転じる。
──ヒュカッ
その瞬間、
──ズザザッ
不死川は斬撃を避け、そのまま黒死牟の足元へと滑り込む。
この機転には弟の玄弥ですら目を見開き驚いた。
玄(下!!足元をくぐる…!!)
そのまま黒死牟の足を狙って刃を振るう実弥。
けれど、相手は上弦ノ壱。
斬られる瞬間に宙返りし、不死川の攻撃を躱す。
しかし、不死川も黒死牟が空中にいるその隙をついてすかさず追撃する。
ー 風の呼吸 壱ノ型 塵旋風・削ぎ ー
周囲の柱を犠牲にしたこの攻撃で不死川は上手く鍔迫り合いに持ち込ませる。