第8章 あなたの笑顔が見たいから
柱合会議から数日後、咲は届け物のために恋柱・甘露寺蜜璃の屋敷にやって来ていた。
「咲ちゃん、おいでませ我が家へ!」
玄関で咲を出迎えた甘露寺は、嬉しそうに頬を染めて弾むような声で言った。
甘露寺はいつも明るく、その可愛いらしい笑顔はまるで可憐な花が咲いたようで、それを見ていると咲は心が明るく照らされるような気がするのだった。
「蜜璃さん、これお届けものです」
「ありがとう!重かったでしょう?パンケーキ焼くから休んでいって~!」
咲から荷物を受け取った甘露寺は、ニコニコと笑顔を浮かべて言った。
「この間のおはぎ、とっても美味しかったわ!その後のお食事会も楽しかったわねぇ」
咲と手を繋ぎながら廊下を進んでいく甘露寺が、楽しそうに言う。
それに咲も笑顔で頷いた。
「はい、とっても!またああやって皆で食事したいですね」
「そうよねっ!柱同士の親睦も深まるし、とても良いわよねぇ!」
そんなことを話している内に、二人は居間へと到着した。
義勇や不死川の家と違って甘露寺の屋敷は可愛らしい内装がそこかしこに施されており、作りも和洋折衷になっていてとてもモダンである。
台所も、日本古来のかまどは備えつつも、多分に洋式の風が入っていた。