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【鬼滅の刃/煉獄】冬来たりなば春遠からじ

第7章  不死川は…おはぎが好きなのか…



そのことに気づいている隊士は少ないが、咲は給料の受け渡しや届け物などの際に関わることが多いので、義勇のその隠れた一面を知っていた。

義勇は杏寿郎よりも年上だというのに、なぜか世話をしてあげたくなるような弟っぽさがあり、柱相手ではあるが、常々咲はまるで年少者を相手にしているかのような錯覚に襲われてついつい世話を焼いてしまっている。

以前聞いた話だと、姉がいたとのことなので、根っからの弟気質のようだった。

そんなキャラクターということもあって、咲はいつからか「義勇さん」と親しみを込めて呼ぶようになった。

「お届け物にあがりました。いつものようにお部屋に置いておきましょうか?」

「助かる。今は料理で手が離せない」

「承知しました」

そう言って咲が草履を脱ぎ始めると、義勇が言った。

「もうすぐ食事の用意ができる。お前も食べていけ」

「よろしいのですか?わぁ、そうしたら、ありがたく頂きます」

「うん」

コクンと義勇が頷くと、頭にかぶった三角巾の端っこがピョコと小さく揺れた。

その姿がまるで小さな子どものように見えて、咲は思わずほっこりとしてしまうのだった。

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