第4章 わっしょい
蝶屋敷から煉獄邸までの道のりは長い。
それなりに時間がかかることを想定して朝も早い時刻に出発してきたのだが、もしかすると今日中に到着するのは難しいかもしれなかった。
咲は義足が完成した次の日から、義足を使った歩行訓練を開始しており、今では松葉杖を使わなくてもある程度の距離を歩けるまでになっていた。
そこまで上達したからこそ、いよいよ杏寿郎の屋敷に移って修行を始めていこうという話になったのだ。
とは言え、やはり蝶屋敷内やその周辺の道のりと、遠方への旅路とでは道の様子がまるで違う。
時折道端の岩に腰を下ろしたり、途中の茶屋で休憩を取ったりはしていたが、昼を過ぎた頃になると咲はすっかりくたびれてしまったのだった。
だが、これから辛い修行に耐えて鬼殺隊に入ろうと言っているのに、この程度のことで音を上げているようではこれから先とうていやって行けないだろう。
そう思って咲は必死に足を前に進めた。