どんな世界でも女神は笑う。【D.Gray-man】※停滞中
第5章 認める。
【ラビside】
オレは今、幻覚を見ているのだろうか。
アユムがユウのことを『ユーちゃん』と呼び、あの顔で睨まれても言い返している。さらに殴ってる。
オレ、怖くてそんなこと絶対できないさ。
「あの2人は昔から仲が良いの。」
オレの思考を読んだようにリナリーが言う。
「え!?」
「アユは神田と同じティエドール部隊だし、昔、アユが教団に連れてこられたばっかりのとき、神田はずっとアユの隣にいて、アユを守ってるみたいだったのよ?アユも神田の側は落ち着くみたいでいつも神田にくっついてたしね。」
「ユウが。意外さね。」
リナリーが話してる間もオレはユウとアユムのやりとりを見ていた。
ユウの眉間には相変わらずシワが寄ってるけど、オレと話してる時よりは表情豊かな気がした。
「ユウって笑うんさね。」
「神田だって人だもの。笑うことくらいあるわよ?」
リナリーはクスクス笑ってる。
多分リナリーに対しても笑うんだろう。
「確か、リナリーとユウは幼なじみだよな?ってことはアユムもなのか?」
「うーん、そうね。神田の方が付き合いは長いけど、アユも幼なじみだと思うわ。」
ふーん、と頷いてまたアユムたちのやりとりに目を向ける。
どうやらこれから2人で鍛練するらしい。
ユウは近距離戦が得意だからアユムに飛んでもらって、遠くから攻撃されることに慣れたいらしい。
アユムはすんごい嫌がってたけど最終的に丸め込まれてた。
「じゃあ私たちも始めましょっか。」
リナリーに言われて2人から目を逸らした。