どんな世界でも女神は笑う。【D.Gray-man】※停滞中
第20章 目覚めぬキミ
【ラビside】
イノセンスを発動し続けるのは結構体力がいる。AKUMAとの戦いで消耗してたオレに、あの村から本部までイノセンスを発動し続ける体力は残ったなかったと思うけど、アユムのためなら頑張れたんさ。
オレは本部に着くとすぐに室長室に向かった。
寄生型のイノセンスはコムイが見てくれるから。
「コムイ!」
「アユムちゃん、これは。だいたいの事情はマリから聞いたたけど、相当だね。」
「大丈夫、なんだよな?」
「うーん、どうだろう。撃たれたのが丁度イノセンスが宿ってる場所だから回復に時間がかかってるんだと思うんだけどね。ただ、アユムちゃんは半寄生型だからそこら辺微妙でね。」
アユムの肌はまだ黒くなったり元に戻ったりを繰り返してる。
「僕たちには何もできない。アユムちゃんがどれだけ頑張れるかにかかってるかな。」
オレはそのままアユムを医務室に連れて行った。
「これは、どうしたの?」
アユムを見た婦長の顔が青ざめた。
「AKUMAウイルスの弾丸が丁度イノセンスが宿ってるところに当たったらしくて回復に時間がかかってるんだと。アユムが直接触るとウイルスが感染るから触るなって言ってたさ。オレらじゃどうしようも出来ないから、とりあえずここで診ててもらおうと思って。」
「そう。回復するまでここで診ていればいいのね?」
「あぁ。お願いします。」
オレは婦長に深々と頭を下げた。
なんとしてでもアユムに元気になってほしい。また『ラビ!』って笑いかけてほしい。一緒に本読んで、マカロン食べて、笑い合いたい。