どんな世界でも女神は笑う。【D.Gray-man】※停滞中
第19章 恐怖の心霊屋敷
「アユム、大丈夫か?」
ラビはイノセンスを回収してすぐにアユムの元に駆け寄った。
「その、先ほどからずっとこんな感じで。」
アユムの様子を見ていたファインダーは不安そうにそう言った。
アユムの肌は黒く変色したり元に戻ったりを繰り返していた。
まるで、体内を蝕むウイルスとアユムのイノセンスが戦っているようだった。
「アユム、大丈夫か?」
「ダメ。」
ラビがアユムに近付こうとするとアユムは振り絞った声で言った。
「それ以上近くに来ちゃ、ダメ。ぼくは寄生型だからなんとかなってるけど、装備型のラビたちが触れたらどうなるかわかんない。」
「でもアユム、1人で歩けないだろ?早く帰ってちゃんと休まねぇと。」
「大丈夫。回復するまでここにいるから。ラビたちは先に帰っていいから。」
「そんなボロボロの状態で置いてけるわけねぇさ。どうにかして連れて帰るからな。考えるから待ってろ。」
ラビはどうにかしてアユムを連れ帰るために、どうすれば自分がウイルスに感染しないようにしてアユム連れ出せるかを考えた。
「あの、これを使ってはどうでしょうか。直接触れなければ大丈夫だと思うのですが、」
ファインダーがカバンから大きめの布を取り出して言った。
ラビは布を使って、アユムをおんぶした時に自分に直接触れないようにした。
「よし、これで大丈夫さな。でも、これで列車で帰んのは周りの目とかもあるから、オレのイノセンスで飛んでいくでも平気か?」
アユムはラビの言葉に頷いた。
ラビはアユムを背負ったままイノセンスを発動させた。
「ごめんね。」
「こういう時は『ありがとう』って言えばいいんさ。それに、アユムはオレを庇ってくれたからな。これくらい当たり前さ。」
「ありがと。」
アユムはそれを最後に眠ってしまった。