どんな世界でも女神は笑う。【D.Gray-man】※停滞中
第16章 オレからあいつへ
「え、なにこれ?」
「ハッピーバースデーさ、アユム!」
「え?あ、ぼく今日誕生日だ。教団でも誰にも会わなかったから気づかなかった…」
「え?食堂とか行かなかったんさ?」
「恥ずかしながら、髪型とかに時間をかけてました。」
なんだよ。可愛すぎさ。頑張ってオシャレしてんのか。嬉しいな。
でも、そんなこと悟られないように得意のポーカーフェイス。
「女の子は大変さな。はい、アユム、プレゼントさ。」
オレは買ったあのネックレスを渡して、アユムに開けるように促す。
「わぁぁ。綺麗……。すごい。ありがとう、ラビ!」
アユムさん、その笑顔の破壊力、半端ないっす。
可愛い、、、
「アユム、付けてやるよ。貸してみ?」
オレは顔が火照りそうになるのを冷静になることでなんとか抑えて、平静を装いながらアユムの方に手を伸ばす。
アユムは素直にネックレスを渡してオレに背中を向ける。髪の毛とかに引っかからないように気をつけてネックレスを付ける。
「はい、できたさ。」
オレが席に戻ってネックレスを付けたアユムを見ると、アユムは優しく目を細めてネックレスを眺めていた。
そんないつもの無邪気な表情とは違うアユムにドキッとしたけど、アユムはすぐにいつもの無邪気な表情に戻った。
「本当にありがとう!ぼくも今年の誕生日が一番幸せ!すごく嬉しい。」
「それならよかったさ。」
オレが自分の誕生日の時に一番幸せって言ったの覚えてたんさな。"ぼくも"って言ってくれたことが嬉しかった。
そのあと、アユムが前に行きたがっていた水族館に連れてってやると、はしゃいで走り回るから静かにさせるのがちょっとしんどかったけど、それも楽しかったから全然いい!
ほんと、アユムといると飽きなくて楽しくて幸せ。
本当に大好きだなって改めて思った。