どんな世界でも女神は笑う。【D.Gray-man】※停滞中
第12章 再会
【アユムside】
任務帰り。
もうすぐ帰れるー!とルンルンで街を歩いてるとリナリーが走ってるのが見えた。
なんだろうと思ってついて行ってみる。
着いたのは墓地。
「あーー!思い出した!我輩は昔、お前に会ったことがある。」
伯爵が言う。
「お前はアレン・ウォーカー。父親をAKUMAにしたあの時のガキですね。」
「アレンくんが父親をAKUMAに!?」
リナリーも驚いている。
「もう1人いたはずですが。」
「もう1人?」
リナリーの疑問も最も。多分知らないから。
「姉です。」
ぼくはゆっくりと前に進み出る。
「あーー!いたーー!」
伯爵がぼくを指差す。
「アユ?」
「ぼくとは直接会ったわけじゃないのによく覚えてるね。」
伯爵に嫌味を言ってみる。
「お姉ちゃん。」
「お姉ちゃん!?」
リナリーがお兄ちゃんの声を聞いて驚いてる。
そりゃそうだ。兄がいるとは言ってたけど、弟がいるって話はしてないから。
「久しぶり、お兄ちゃん。」
ぼくはお兄ちゃんに笑いかける。
お兄ちゃんも笑ってくれる。
ぼくらはこれだけで伝わる。言葉なんかなくても通じ合う。
お兄ちゃんに、マナのことを話すのはお兄ちゃんの自由だって意味を込めた視線を送る。
「血のつながりはなかった。でもマナは、父さんは奇怪な腕を持って生まれてきただけに捨てられた僕を、奇怪な脚を持って生まれてきただけに捨てられたお姉ちゃんを拾い、育ててくれた。」
ぼくらは思い出す。マナを。
『立ち止まるな、歩き続けろ』
マナがいつも言っていた言葉。
「マナは僕らにたくさんのことを教えてくれた。生きるために必要なこと、たった1人でも生きていける術を。だけど、本当にマナが居なくなって子供だけになった時、僕らはどうすればいいのか分からなくなった。マナが、父さんが、死んでしまうなんて。」