• テキストサイズ

【あんスタ×ツイステ】奇人と魔法とあんさんぶる!

第1章 異変


「なんて趣のある……」

オンボロ寮と言う名に相応しく、外観からして廃墟のような建物の前に私達は立っている。

「これでも頑張って掃除して、中は綺麗になってる……はずなんだ」
「オレ様も手伝ったんだから、当然綺麗に決まってるんだゾ」

ユウさんは苦笑いしながらその扉を開け、中に入るよう促す。
私は恐る恐る中へと足を踏み入れた。

外見と異なり、屋内は確かにグリムさんの言う通り、とても清潔に保たれている。
細かいところまで、とても綺麗だ。

「大しておもてなしもできないけど、ゆっくりしていてくださいね」

ユウさんがそう言い、奥のキッチンの方へと消えていく。
それを見送った私は、談話室のソファに腰掛ける。すると……。

「おやぁ? 初めて見るお客さんだね」
「ユウとグリムの友達かい?」
「それにしては、見たことの無い制服を着ているね?」

どこからともなく、声が聞こえてきたのだ。
何事かとユウさんを呼びに行こうと立ち上がろうとすると、目の前に白いふわふわした3つのかたまりが。
いや、これは……。

「ゆ、幽霊!?」

驚きそのままひっくり返りそうになるが、どうにか踏ん張った。
急いでユウさんの方へと向かおうとするが、当の本人は穏やかな笑顔でこちらに戻ってきた。
手には暖かそうに湯気を上げるカップが2つ。

「大丈夫ですよ、あんずさん。……ゴーストたち、ただいま。この人はあんずさんって言って、僕と同じく異世界から来た人なんだ。しばらくこの寮で一緒に暮らしてもらうことになったから、よろしくね」
「よ、よろしくお願いします」

ユウさんが紹介してくれた後に続き、恐る恐る私もお辞儀をする。
すると彼らは嬉しそうに笑った。

「驚かせてごめんね、あまり見かけない人が来るとつい気になってしまってね」
「でも、2人の友達ってことならおれたちは大歓迎だ」
「ますます賑やかになって嬉しいねぇ、ヒヒヒ」

楽しそうにする3人を見ていたら、だんだん私も緊張がほぐれ、気づくと笑顔になっていた。
/ 29ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp