第9章 ルーキー
「ルーキーだけで見ればうちはサスケ、木ノ葉で見れば日向ネジ…といったところかな」
ヒタキの見立てにセツナも冗談をやめ、真剣な顔で同調した。
「…だな。他里はわかんねえし。まあ行けるとこまで行こうぜ」
試験がどういう内容か分からないがこの二人はおそらく問題ない。それより、自分が彼等の足を引っ張らないようにしないといけない。気負えば気負う程、シズクの体はこわばっていく。
「くの一だけなら、うちのシズクもかなりいいセンいってるとは思うけどね」
すると、シズクの緊張を察したらしいヒタキが冗談めかして続けた。
「そうだぞお前、自分に自信持ってどーんといけよ」
セツナもこちらを向いてシズクの背中を軽く叩いてくる。不安を取り払おうとしてくれているのだと、気遣いを感じてぎこちない笑みを返した。
「そんな顔するなよ。大丈夫だ」
いつもと違い元気を無くしたこちらの様子に気付き、彼は続ける。
「オレがついてる。お前はいつも通りでいい」
セツナはそっと諭すように静かに、だが力強く呟き、シズクの頭にぽんと手をのせてきた。優しい手つきに少しどきっとする。見上げるとセツナがニッと笑った。
…そうだ。仲間を信じて突き進もう。一緒なんだから、きっと大丈夫。
彼の笑みを見て勇気づけられたシズクも微笑み返す。緊張がいつの間にか、溶かされたようにほぐれていった。
.