第10章 君と見たい未来
大倉side
たくさんたくさん傷付けて
たくさんたくさん泣かせた分
優しくしたいのに
そんな俺の気持ちに
少しも気付こうとしないひなこが
憎たらしくて
ついいじめたくなる…
分かって欲しくて
キスをして閉じ込めた腕の中でも
ひなこは素直に閉じ込められては
くれなくて…
暴れるひなこを
仕方なく解放したら
真っ赤な顔で俺を睨みながら
「なんでこんな意地悪するんですか…?
これ以上好きになりたくないのに…」
そう言ってまた
ぽろぽろと涙がこぼす
そんなひなこのほっぺたを
両手でつねりながら
「もういい加減気付いてくれへん…?
俺もひなこが大好きなんやって笑」
そう言って笑うと
「いじわる…」
そう言ってやっとひなこは
今日一日中見たかった笑顔を見せて
俺の腕の中勢いよく飛び込んできた…