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【鬼滅の刃】燃ゆる恋路に花束を

第2章 プロローグ



それは確かに運命だと思った。




前世と何一つ変わらぬ容姿に声
ずっとずっと待ち望んでいた彼女の姿に、俺の胸はこれ以上無いという程に高鳴った。


なのに、なのに……



「彼女は俺の事を覚えていないらしい。」
「え?まじ?」


新任教師との親睦会を兼ねた飲み会にて、歴史教師・煉獄杏寿郎は、前世からの友、美術教師・宇髄天元にその悩みを打ち明けた。


「でも俺の事見た時は"宇髄さ〜ん"ってド派手に抱きついて来たぜ」
「よもや……」


何気ない宇髄の言葉の刃は煉獄へと深く突き刺さる。
悪気が無いのは分かっている。
ただ、どうして自分に関する記憶が無いのだろう…それだけを考えてしまうのだ

記憶が無い……。そうなってしまうと、やはり彼女と恋人になる事はまず不可能なのだろうか……


「アイツの事、諦めんの?」
「いや、だが……諦め……うーん……。」
「じゃあ俺が娶っていいか?」
「それは絶対に駄目だ!!!」


しまった、つい声を荒らげてしまった。
そう思った時には既に遅く、飲み会に参加していた教師らの視線を独占していた。


「どうしたァ?声荒らげるなんざお前らしくねェ」


騒ぎを聞きつけ煉獄の隣の席に着いたのは数学教師・不死川実弥。
彼もまた前世からの友である。


「舞が煉獄の事覚えてないんだと。」
「……はァ?冗談だろォ?俺の事は覚えてたぞ」
「はぁ……」


もうそれ以上は止めてくれ。

更に深い溜息をつくと、同僚達は煉獄の肩を抱き背中を摩り慰めた。


「夫の事忘れる嫁が何処にイんだよ。絶対思い出すに決まってらァ」
「そうだぜ!お前がド派手にカマせば記憶なんて一発だぜ!」


グイグイと酒を進める彼らは、一つ重要な事を忘れていた。
これを破れば法に触れ、最悪懲戒処分になるほどの重要なこと。



「……そもそも、教師と生徒の恋愛はご法度ではないだろうか……。」

「「……あっ」」









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