第19章 あたし達は大人になった
~19.あたし達は大人になった~
あたし達が高校1年の時のWCは、後に語り継がれるほどに伝説となった。キセキの世代と幻の6人目が終結し、戦ったWC。あたし達誠凛女バスが251対15という圧倒的大差かつ見た事のないスコアで優勝したWC。
あれからもう3年の月日が流れる。あたしの机の上にはIHの優勝した時の賞状が3枚、WC優勝時の賞状が3枚存在している。その中心には茉実、藍、優希、凜子、捺美、雅と笑顔で映っている写真が飾られている。
母「朱音ー?そろそろ出なきゃ間に合わないわよー?」
『あ、うん!今行くよ!』
今日は1月14日。あたし達は大人になった。
茉実「朱音!久しぶり!元気だった?」
『もちろんだよ!茉実はまた逞しくなった?』
茉実「何それ!あんまり嬉しくないんだけどー」
『あはは!ごめんごめん。またうちに来てよね!』
茉実は高校を卒業後、大阪のバスケの実業団に入った。東京と大阪では距離があるため、昔のようになかなか会う事は出来ないでいたが、月バスで茉実の活躍を見る度に嬉しくなった。今では最年少で日本選抜チームに選ばれるくらいの実力となった。
藍「朱音ー!やっと本物の朱音だー!」
『本物ってどういう意味なの、藍』
藍「メールや電話ばっかで朱音と直接話せてないんだもん!」
藍は怪我で引退したてっちゃんを凄く気にかけているうちに、次第にてっちゃんに惹かれていったらしい。今では2人はお似合いのカップルだ。そしてそのてっちゃんの役に立ちたくて、藍はリハビリを専門とする理学療法士を目指して大学に通っている。