第18章 そしてWCは伝説となる
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日向「今日は男女混合で練習するからなー。とりあえずポジションごとに分かれろ。各ポジションごとに自分達だけでメニュー組め」
小金井「えー、そんなの日向と朱音ちゃんいるトコは楽じゃん!」
『大丈夫ですよ。今回日向先輩とあたしは口出ししませんから』
それから全員がバラバラに地理話し合いを始めた。あたし達PG組も同様に集まる。雅、伊月先輩、降旗君の4人がいるPG組は1番メンバーが多い。
伊月「とりあえずどうする?若槻は話し合いに参加するのもダメなのか?」
『いえ、意見とかなら発言出来ますよ。けど案はダメなんです』
伊月「あんな案とか?」
『さ、始めましょう』
伊月「無視はやめて!…とりあえず皆の意見が聞きたい。1人ずつ気を付けてる事や意識してる事を言っていこう」
伊月先輩の言葉に伊月先輩、あたし、雅、降旗君の順で答えていく。
降旗「えっと、俺は相手の動きをじっくり見てとにかくゆっくり攻めると言うか…」
言葉だけじゃいまいち掴めないとなり、練習の後皆を交え実際にやってみようという事になった。そしてゲーム練、男女混合で作られた即席チームに4人のPGが交代で入る事にした。結果あたし対降旗君。降旗君のマッチアップにあたしがつき、ゲームの流れを読む。
降旗「結城さんストップ!まだ行かないで。火神ももう少し待ってくれ」
『…へぇ』
ゲーム練も終わり、各ポジションで最後の話し合いが行われた。
伊月「…とまぁこんな感じかな。若槻、最後に俺ら1人1人にアドバイスをくれないか?」
伊月先輩に頼まれ、あたしは躊躇いながらも伊月先輩と雅に伝えた。
『最後に降旗君だけど…降旗君はここにいるPGとは違うね。降旗君はスローゲームの攻め方が得意なんでしょ。言い換えれば周りがよく見えてる』
降旗「そんな!俺は人一倍ビビりなだけで…」
『それは用心深いって事だよ。もし自分の事をビビりだと思うのは良いけど、それは短所なんかじゃない。臆病だからこそ出来る事もあるよ』
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