• テキストサイズ

It’s a miracle!!!

第18章 そしてWCは伝説となる


玲央「そう言えばIHの時、朱音ちゃんの部屋から帰って来た時はぐっすり眠っていたわね…どうかしら、朱音ちゃん。征ちゃんを救うためだと思って、征ちゃんを朱音ちゃんの家に泊めてくれないかしら」

「何を言ってるんだ、玲央。そんな事出来るわけないだろう。それにミーティングだってあるんだぞ。主将の僕が不在だなんてあっていいはずがない」

玲央「ミーティングなんて帰る前にやればいいじゃない」

『それで征ちゃんは本当に良くなるんですか?』

玲央「そうよ。どうかしら?」

『分かりました。征ちゃん、今日はあたしの家に来てね』

朱音は考える様子もなく言い放った。玲央を見ると監督には私からきちんと伝えておくわ、と笑いながら言った。朱音と一緒にいれるのは素直に嬉しい。しかし…

「…本当に良いのか?それに家の人はどう言うのかも分からないだろう」

『征ちゃんの体調が悪いんだよ!?放っておけるわけないじゃない!』

「…分かった。ではお邪魔させてもらうよ」

朱音の希薄に圧倒されて肯定するしかなかった。朱音は満足そうに頷くと、僕の体を軽く押してまだ寝てるように言った。そして涼太の試合も見たいから終わったらまた来るねと言い残し、医務室を後にした。

玲央「良かったわね、征ちゃん。これでぐっすり眠れるし、征ちゃんの機嫌も良くなって一石二鳥だわ」

「玲央…僕はお前に感謝していたが今の言葉で半減した」

玲央は少し嬉しそうに笑うとチームの方に戻って行った。1人になった僕は朱音の姿を想う。僕の愛する朱音。今日はずっと一緒にいられるとなるとどうしても顔が緩んでしまう。医師にばれない様に布団で鼻まで覆い隠し、再び眠ろうと思い目を瞑ると朱音の顔が浮かんできた。いつもの笑顔じゃない、どこか怯えた様子の朱音の顔が。医師の静止も聞かず、僕はだるかった体が何とも感じなくなるほどに必死に走った。
/ 483ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp