第18章 そしてWCは伝説となる

7番の諏佐さん相手にバニシングドライブ。そのまま日向先輩に渡すとブザービーターと共に3Pを決め同点で終わった。

宗助「すげぇ…黒子の最後のあれ、どうなってんだ？」

『あれはバニシングドライブって言って、条件さえ満たせばタネが分かってても止められない技だよ』

宗助「条件？」

『あのドライブはテツ君１人じゃ出来ないの。まず動きとしては斜めに動くダックイン。人間の目って言うのは縦、横は追えても斜めの動きには弱い。その上テツ君は人の視線を読み取る能力に長けてるから特別追い辛い角度で沈んでくる。これだけでも並の選手じゃそうそう止められないけど、それじゃせいぜい消えたように見えるドライブでしかない。だけどある条件を満たした時、バニシングは完成する』

茉実「まさかそれが…」

『そう、それが大我君。大我君のコート上での存在感は群を抜いている。コート上で最も存在感があるのはボールだから、本来テツ君はボールを持った状態でミスディレクションをする事は出来ない。だけど成長した今のテツ君なら一瞬だけ視線を誘導する事が出来る。敵が大我君に視線を移した瞬間に斜めのダックイン。これが正体だよ』

藍「じゃあ条件である火神君が相手の視界にいる時以外は使えないって事？」

『そういう事。さつきがそれに気付いていないわけがないし、大ちゃんを大我君につかせて動きを制限させれば止められない事はないんだけど、今の大ちゃんがするとは思えない』

花帆・宗助「？？？」

『あ、ごめん。２人にはまたゆっくり説明するね』

そして第2Qが始まる。そして予想通り大ちゃんは大我君のマッチアップには着かず、ボールを持ったテツ君の前に立っている。そしてやる事は１つだけ。

「話が早くて助かるぜ、テツ。つくづくバスケだと気が合うな」

「僕もそう…思います！」

テツ君の後ろには大我君がいる。そしてテツ君がバニシングドライブを発動した。テツ君の体が大ちゃんの横を通り抜け、完璧に抜いたと思ったその時、大ちゃんはもう１度現れボールを弾き、そのままダンクを決めたのだった。