第4章 鈍感な君に送るもの『竈門炭治郎』
口づけが終わっても、
もうこれ以上離さないように、私は自分から炭治郎に抱きついた。
すると炭治郎は目尻を下げる。
「....こんな幸せがあるなんて、」
そう一言言うと私を抱きしめ返した。
そしてニッコリと笑うその笑顔も、前とは違うようにきらきらと輝いていた。
そして炭治郎は体を離して私の手を取る。
「....これからは寂しい思いなんてさせないから、一緒に居てくれますか。」
「....ふふ、もちろん!!」
まるで結婚してくださいと言わんばかりの決め台詞にいつの間にか頬を伝っていた雨も止んで。
空には、キラキラと輝く太陽がこれまでに無いほど、私に微笑みかけていた。
その太陽に私も笑いかけると、
二人で手を取って、ゆっくりと歩き始めた。
二人の虹の上を。
明るく染まるまっさらな空の上を。
空は、空という存在だけでは成り立たない。
雲も、太陽も、星も、雨も。
全てがあってこそ空が成り立つ。
だから時には雨があっても、雪があってもいい。
それは必ず終わりを迎える。
辛抱強く待てばきっと、自分だけの太陽を、見つけることができるのだ。
(....ね、そうでしょ炭治郎)
私は隣にいる太陽のような炭治郎にまたそっと笑いかけた。
終。