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『鬼滅の刃』夢の戯れ

第2章 気づくまでのタイムリミット『冨岡義勇』




(あぁ...またか。)



私は柱としての任務を終えてお館様の屋敷へと向かっていた。

今日は半年に一度の注合会議の日。

これまでの任務の結果や色んなことを話し合う場だ。

そこに向かっている途中に、私はひとりの男を道端で見つけた。



よぼよぼの鎹鴉に付き添うようにゆっくりと歩くその男にため息を吐きそうになる。


(もう...これで何回目なの義勇さん....)


その男の名は、冨岡義勇。


水柱だ。


私は走っていた足を止めてそっと義勇さんのそばによる。


「あの。義勇さん。」


そう言うと義勇さんがゆっくりとこちらを振り返った。

青い瞳からなんの感情も読み取れなくて私は内心またため息をつく。

(うう...面倒くさいなぁ...)


正直義勇さんのことは、苦手だ。

あんまり感情を読めない瞳に口数の少ない口。

たまに口を開いたと思えば俺は嫌われてないの一点張りだ。

だからこそ何だかとっつきにくいところもあって柱になった当初はかなり慣れるのに大変だった。


「もうすぐで柱合会議始まるので...急いだほうがいいんじゃないですか?」


「....すぐに行く。」


私が気を使ってそう言っても全く急ぐ素振りを見せない。


「そう言ってこの前遅刻したじゃないですか....!!」


この人には心底呆れるものがある。


「....」


痛いところを突かれたのか義勇さんは黙り込んでしまった。

そこで私は秘策を使う。


「不死川さんにおはぎ渡すんじゃないんですか??」


「!」

そう言うとぱっと顔を上げた義勇さんがさっきとは別の瞳で私を見つめた。

「...おはぎを渡せば、不死川とも仲良くなれる。」

そう独り言のように言った瞬間。




どんっ!!





「....ごめん不死川さん。」


目の前に義勇さんの姿は無く。

ただ義勇さんが地を蹴ったあとと砂埃だけが残されていた。


(...よし、私も急がないとね。)


義勇さんも行ったことだし。

そう考えた私はさっきの義勇さんと同じように強く地面を蹴ってまた走り出した。








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