第21章 ー林間合宿ー
**椿紗side**
"ヴィランの狙いはかっちゃんと神無月さん!
2人はなるべく戦闘を避けて!
単独では動かないこと!!わかった?!"
頭に響くマンダレイのテレパスーー
でも既にその指示を破っていた私は
突如現れた脳無の圧倒的な強さに押されていた
(くっ……頭がボーッとする…
でも奴らの狙いが…何で勝己なの)
私が狙われるのは個性のせいだと理解出来る
でも勝己がコイツらに狙われるのは謎だ
打ち付けた頭から流れる血
そして体の至る所には刃物での切り傷
その怪我のせいで頭が上手く働かない
明らかにUSJの時の奴とは違う
このまま戦い続ければ確実に殺されるだろう
「ネオ、ヒャ…グキュ……ギャハハ!!」
『ッ…ロ、シェ(岩壁)!!』
ヴィィインというチェーンソーの音と共に
迫ってくる奴の脚元へ目掛け技を放つーー
脳無を取り囲む様に聳え立つ岩壁の囲い
私はその隙に全力で森の中へと逃げた
『早く…皆のとこへーー
「見つけたぞ、神無月 椿紗」
走る私とすれ違うように現れた人影
その人物を認識する前に感じた
腹部への強烈な衝撃に意識が遠のく
瞼が閉じる前に微かに見えたのは
森を燃やしていたあの青い炎だったーー