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Mirror【R18】

第7章 救うも止めるも艶を添えるも理性


大分気温が下がってきたようだ。
澤子は仕事に向かっていた。

吐く息が白い。


瑞稀の事でもうひとつ、考えている事がある。

『人試すような事止めたら?』

あの言葉がずっと引っ掛かっている。


私はそういう風に見えるのだろうか。
そんな風に接していたのだろうか。

前に付き合っていた三木の事を思い返す。
付き合ううちに彼の異性の部分が見えてきて嫌になっていた。
だがいくら理性で抑えても普通の男性は。
……いや、女性もそうなのだろう。
ただ自分が特殊なだけで。


頭の何処かで分かっていた筈だ。
私は彼を試していたのだろうか。

……瑞稀にそう思われていたのだろうか。


彼がいなくなった理由。

葵ちゃんみたいに、私は嫌われてしまった?
私があそこでみっともなく取り乱して拒んだから?
面倒臭く思われた?
それとも彼女が出来た?


瑞稀さんは今頃どうしているんだろう。



以前は手を伸ばした先に居た彼。


なのに、簡単に見えなくなってしまった。






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