第14章 余章 ―― 夜話
目を開けると、朝だった。
「───っ」
首に鈍い痛みがあって手をやると、ガーゼのようなもので手当てがしてあった。
私の裸の体。
あと、下腹部に重い違和感がある。
これ、私…?
少し出血している。
「遥」
高雄が部屋に入って来た。
酷く狼狽えている。
「済まない……酷いやり方で」
一体何が………
「でも、君を……なくて良かった」
何て言ったの?
「さよなら、遥」
高雄?
「車を呼んである。 ゆっくり休んで帰るといい」
待って。
「……」
行かないで。
掠れた私の声は音を発さず、静かにドアが閉じられた。