第14章 余章 ―― 夜話
日曜の晴れた午後。
話がある、それだけ連絡をいれて美和は珍しく昼間の外に逸巳を呼び出した。
あの男とは別れた。
向こうは最後まで何だかんだ言ってたけど、「もうあなたに飽きたから」そう伝えると彼は黙った。
凄くスッキリした自分に驚いた。
逸巳にどう切り出そうか。
あたしはこんなの慣れてない。
『ありがとう』?
『ごめんね』?
公園のベンチに座っている美和に気付いて、逸巳が向こうからやってきた。
目の前に立った逸巳が腰を屈めて最初に口を開く。
「僕のものになってくれる?」
瞬時に美和の顔が真っ赤になり、逸巳はそんな美和を見て微笑む。
美和は勢いよく逸巳の首に抱きついた。
公園内の人々が二人をチラチラと見る。
でも、構わない。
「美和さん、言って」
「……いいよ!」