第13章 Mirror
澤子と瑞稀はまるで何かで繋がっているかのように、日に日に弱っていった。
彼等は自宅で手伝いを雇って過ごしていた為、逸巳は毎日見舞いに寄った。
ある日澤子の部屋を訪ねようとすると、ベッドに寄り掛かる澤子を瑞稀が後ろから抱き締めて、穏やかに二人が話していた。
「ごめんね、私が先で」
「俺はその方がいいよ。 一樹の事を考えるとまた答えが違うが」
「逸巳がいてくれる。 同じ事よ。 どちらでも」
「澤子、何も心配無い」
「ええ、またすぐに会えるものね」
「正直、数日でもきついんだけど」
「ふふ」
そんな調子で澤子が息を引き取り、ひと月後には消え入るように瑞稀も亡くなった。