第39章 「奪った希望」
―――はんぐり~―――
瞬平「ずるいですよ!!もう一回もう一回!!」
晴人「わかった、じゃあもう一回だ」
「「最初はリング!!じゃんけんぽん!!」」
瞬平「あっち向いてホイッ!!」
晴人「あーっ!!」
瞬平「やったぁっ!!」
ビシッ
瞬平「いえーいっ!!」
『(何してるんだか…)』
は紅茶を飲みながら瞬平と晴人のやり取りを見ていた
店長「はーい!新作のドリドリドーナツでーす!」
晴人「ドリドリ?」
店長「dream&dreamよ!」
晴人「あぁ…」
テーブルには積み重なったドーナツにたくさんのフルーツや生クリームが乗ったものが
店長「こんなふうに夢と夢が重なり合って、みんながもーっと幸せになればいいなーって思って♪」
晴人「ずいぶん甘ったるい夢だな…」
店長「今日は食べてくれるでしょ?」
晴人「プレーンシュガー」
ガクッ
『じゃあ私が食べる…!』
瞬平「あ、そうだ。夢と言えば…いつだったかなぁ…」
“晴人さんやちゃんの夢って何ですか?”
“今は…ファントムを倒すこと…”
“私…も…”
瞬平「…何て言ってましたよね!?」
晴人「『……………』」
瞬平「ってことは?晴人さんやちゃんって…ホントは他に夢があったとか!!」
晴人「あ?」
店長「わぁ!聞きたい聞きたい!!ハルくんの夢!!」
晴人「危ない!!」
振り返った晴人が見たもの
瞬平、店長、は避けたが店員の顔面に直撃
飛んできたのはサッカーボールだった
「「「すいませーん!!」」」
晴人「行くぞー!」
晴人は地面にサッカーボールを置き、蹴ろうとしたが直前で止まった
「「…?」」
晴人はボールを拾って投げた
晴人「サッカーするときは気を付けろよ!人に怪我させちゃ…楽しいことも台無しだからな」
「「「はーい!!」」」
子供たちはボールを受け取り、サッカーを始めた
晴人「夢か…」
『晴人…』
は晴人の手を掴もうとしたが止まった
晴人の心を見てしまいそうで…怖かった