第36章 「空の向こう側」
―――晴人 side―――
晴人はソラを助け出していた
ダムの中を抜けて川の岸にソラを寝かせた
ソラ「キミが…僕を…?…!!帽子がない!!僕の帽子が…っっ!!」
攻撃された部位を押さえて地面に倒れた
晴人「大丈夫か?」
ソラ「…っ!!…いいのかい…ファントムなんて助けちゃって…」
晴人「…わかんねぇよ…俺にも…。が泣きそうな顔してたからだ」
ソラ「へぇ…」
ソラは晴人と共に川に入って帽子を探し出した
ソラ「ねぇ!見つかった?」
晴人「いや、てか何で俺がお前の帽子を…」
ソラ「へへ!これも何かの縁ってことで!」
晴人「じゃぁ手伝う代わりに教えてもらおうか」
ソラ「えー?」
晴人「ファントムを増やしてどうする気だ?世界征服でも企んでるのか?」
ソラ「…もう一度、サバトを開く」
晴人「…!!」
ソラ「日食の日にしか起こせないサバトを、ファントムの魔力を集めて無理やり開くのさ」
晴人「あんな儀式…二度と起こさせてたまるか!!」
ソラ「ちょっと、急に熱くならないでよ!」
晴人「ふざけんな!!絶対に…俺やコヨミ…みたいな犠牲者を…!!」
ソラ「コヨミ?そうか、もう1人いたね。人間でもファントムでもない、魔力で動くお人形さん」
晴人「コヨミは人形じゃない…!!人間だ!!コヨミはファントムを生んで…抜け殻になったゲートなんだ!」
ソラ「…それは変だね」
晴人「え…?」
ソラ「ファントムを生み出して体が残るなんて有りえないよ!」
晴人「…!!」
ソラ「ちゃんも変だよねぇ…」
晴人「何がだ…」
ソラ「だって1人の体の中にファントムが2体もいる。そんなのは有りえない」
晴人「何が言いたい…」
ソラ「彼女も人間じゃない」
晴人「何…!?」