第37章 かごめかごめ
突如としてホークスを襲い始めたの白炎により、スケプティックが監視をしていたホークスのカメラが、ブツリと焼き消えた。
突然のエマージェンシーに、スケプティックが急ぎ近くにいた幹部に連絡を取った。
「かごめちゃん!どうしたの」
駆けつけたトガの口から、咄嗟にその言葉が発せられた。
空を飛び回り、火の粉を散らして衝突しているホークスとフェニックスを見て、トガがハッとした。
「ワタシじゃダメです、荼毘くん!早く!」
「何してんだアイツら」
「いいから早く!かごめちゃん襲われてる!」
「…よく見ろよ。襲ってんのはで、襲われてんのはホークスだろ」
どうでもいいから早く!とトガが荼毘を急かし、その背をバンバンと叩いた。
「、落ち着け!」
荼毘が空中を舞う向かって蒼炎を飛ばした。
我を失ったように、逃げ回るホークスを追い回していたの眼前を、荼毘の炎が駆け抜けた。
ハッとして。
は地上の荼毘を見た。
「ごめん!」
ホークスが彼女のうなじに手刀を叩き込む。
ガクッと意識を失った彼女を抱いて、ホークスが地上へと降り立った。
彼女の身体をトガに預けて、ホークスは所々が焼けこげている剛翼から火を消そうと、自分の背を建物の壁に押しやった。
「先に手ェ出したのは?」
「フェニックスだ!」
荼毘の問いかけに、息をゼェゼェと切らしてその場に駆けつけたスケプティックが答えた。
彼は一直線にホークスの方へと駆け寄り、煙が上がっている彼の翼を見て、「あぁああ!!」と叫んだ。
「カメラと盗聴器が全滅だ!!」
「新しいもんつけとけよ」
「最新型がそんなにすぐ用意できると思うなよ!」
荼毘がトガからの身体を奪い取り、姫のように両手で抱き抱え、ジッとホークスを見つめた。
「大方、こいつの逆鱗にお前が触れたんだろ」
「…まるで、見てたかのような口ぶりだな」
「見てたさ。お前がこっぴどくフラれてんのもばっちりな」
「かごめちゃん!起きて!大丈夫!?」
外典が来ては面倒だから、と。
荼毘は後片付けをスケプティックとトガに任せて、早々にその場を立ち去った。
ベッドへと彼女を運ぶ間。
彼女がうわごとのように、荼毘の名前を呼んでいた。