• テキストサイズ

【銀魂・トリップ夢】ガラスの剣

第2章 端緒



SNSに投稿し、その画面のままスマートフォンを腿の上に置いた。


手元に置いたコンビニのレジ袋から缶ストロングチューハイを取り出し、プルタブを開けて喉に流し込み、大きな息を吐く。


ずっと言いたかったことを吐き出せた、『安堵』なのか。


万年人手不足、残業・休日出勤は当たりまえ。

なのに売上減少の理由で、ボーナスなんて入社以来ゼロ。決して高くはない月給。

無能上司と、「口動かすまえに手を動かせや」なパートのお姉様方による板挟み(所謂文句の捌け口)。

女性社員(私だけですが何か)に対するセクハラパワハラ発言。

社員のことなんて「良い駒」としか思っていないようなクソブラックな中小企業のことなんて知るかよ、私がいなくなったら崩壊するんじゃないwwざまあwwメシウマwwな

『爽快感』なのか。

それとも、

いざとなれば退職金もらって辞めればいいじゃんあんなクソ職場、いや待てよくよく考えたら退職届出したからって次の日から行かなくてよいというわけにはいかないし引き継ぎとかあるし、
そうなると居心地悪いじゃん、でも働いてても居心地悪いしどのみち居心地悪いよな、明日どんな顔して出勤すればいいねん、言うならいつかの退職日にぶちまけてやればよかったんじゃという『後悔』なのか。



どの気持ちに対してのため息かは分からないけれど。


ピコンッ


スマートフォンの画面に目線をうつすと、友人から、先ほどの投稿に対するメッセージがはいった。


『まずは一歩前進、おめでとう(*^▽^)/』

その一文に、笑みが溢れた。


『あざす。そっちも転職活動大変そうだね。お互い頑張ろうぜ』


缶に残った分を飲み干した。



彼女のいうとおりだ。

不安はたくさんあるけれど、

毎日のようにSNSに愚痴をこぼしていたつまんない日々から、ようやく一歩前進したんだ。

言ってしまったもんは仕方がない。

今まで私が言われた言葉にすれば、

あれくらい、暴言のうちに入らないよね?


喧嘩売った以上、明日までにマニュアル本攻略しないと。

あと一本飲んだら、帰ろう。

明日も早いし。

ごはん、食べたいし。
















/ 10ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp