第3章 蒙恬(もうてん)×湯女(ゆな)
内壁がゆっくりと擦られ、じんわり広がっていく快感にぎゅっと目を閉じた。
て、恬のが……はいって…!
『…っ、ぁ……!』
勝手にしなる私の身体を見て、彼は噛み付くような口付けを落とすと、
「ん、大丈夫?」
『はっ…う、うん……』
余裕の無くなった声で私を気遣ってくれる恬。
それが堪らなく嬉しくて、彼の首に再び腕をまわすと彼の耳元で、
『きて、ください…』
そう囁いて、ぎゅっと彼を引き寄せる。
「…!あんまり可愛い事すると、知らないからね?」
途端、動き出す彼の身体に離れないようにしっかりとしがみつく。
恬の息が、耳にかかって…!
そう恥ずかしさと快感の渦に飲み込まれながらも、彼を受け止め続けたんだ。
翌朝。
目を覚ませば彼の腕の中で、心がじんわりと熱くなる。
幸せすぎる…。
「おはよう?」
『!て、恬…』
「朝からイチャつきたいとこだけど…もう、行かなきゃ」
そんな少し困ったような彼の表情に、彼の本職を思い出す。
すっかり忘れていた現実に目を見開けば、彼の額が私のそれにコツンと合わさって、
「ちゃんと戻って来るから、待ってて?僕の奥さん?」
そう優しい声をかけられて、泣きそうになりながらも首を縦に動かすと、自然と唇が重なる。
この人を信じたい
『どうかお気をつけて』
そんな私の思いが伝わったのか、彼はふわっと微笑んで部屋を後にしたんだ。
Fin