第3章 蒙恬(もうてん)×湯女(ゆな)
うっとりとした表情で胸元を見つめられて、恥ずかしさがこみ上げてくる。
せめてあまり身体を見られないようにと、彼の首に回していた腕に力を込めて引き寄せれば、クスッと笑われてゆっくりと寝衣の紐を解かれる。
「こんくらいで固くなられると困っちゃうよ?」
『え?…んっ……!』
そう耳元で囁かれれば、優しくゆっくりと感触を楽しむように胸を揉まれ、もう片方の手は私の髪の毛を撫でていく。
なに、これ…!
至近距離で目が合えば、唇が何度も重ねられる。
甘い刺激が身体中を走り回り固くなっていた身体も、彼の口付けで溶かされて力が抜けていき、
『…て、恬!?』
寝衣の合わせから彼の手が侵入する。
そう私が名前を呼べば、微笑まれるだけでその手が止まることはない。
「脱がすよ?」
ドクン…
時折低くなる彼の声は、抵抗するなとそう言われている気がして心臓が大きな音を立てる。
何も言えず、直に腰に腕を回されて少し起こされれば寝衣は取り払われて一矢纏わぬ姿にされる。
今、私、何も着てない…
彼の首に回していた腕を胸の前に移動させて彼を見上げると、再び口付けが落とされて何故だか安心してしまう。