第12章 お酒には要注意
岩崎「奈々…隣に行ってもいいか?」
奈々「…うん。」
隣に腰掛けた岩崎さんは、
岩崎「嫌な思いさせてすまなかった…。」
そう悲しそうに謝った。
奈々「…うん。………。」
そして岩崎さんは畳み掛けるように質問する。
岩崎「…お前、こんなこと調べてどうするつもりだったの?…俺の…タイプの女になろうとでも思ったの?」
痛いとこを突かれた。言われてみれば、私はこんなことを調べて何がしたかったのか。
奈々「…っ…」
何も言えない。気まずくてお酒を飲もうとすると、
岩崎「飲み過ぎ。今日はもうダメ。」
そう言ってグラスを取り上げてお酒を飲み干す。
岩崎「…俺の好み…お前知らないだろ?」
奈々「…知らない」
岩崎「…奈々に魅力がないなんて思ったことない。」
奈々「…っっ…」
顔が赤くなる。
岩崎「…妬いたのか?」
奈々「そんなんじゃ…」
そう言いながら顔を背ける。
岩崎「素直じゃないな…」
そう言って私の顔を無理やり向かせる。
岩崎「…なんでこんなことしたの?正直に。」
奈々「…っ。」
私は岩崎さんに真剣に見つめられ、折れた。
お店の綺麗な人たちに囲まれている岩崎さんを想像してモヤモヤしていたこと。自分はそんなことを言える立場ではないのにこんな気持ちになること。
自分は歳が離れているから子供っぽいし、と卑屈になっていた。
岩崎「阿保…」
そういって抱きしめる。
奈々「阿保って…!!」
岩崎「…おじさんを弄んでるなら…この辺にしとけよ…?本気になっても知らないぞ?」
奈々「…えっ?…本気って…」
そう言いかけたところでキスをされた。
岩崎さんの言葉が気になるけど、お酒を飲みすぎて頭が回らない私。
ふわふわしてしまう。
岩崎さんは長い長いキスをした。
奈々(蕩けそう…)
岩崎「……っ…そんな顔すんなよ…」
そう言って少し顔が赤くなっていた岩崎さんは私をお姫様抱っこして寝室へ向かった。