第11章 空白
『格子越しってなんか話しずらいね』
苦笑いをしながら格子をすり抜けルキアの前に立つ
「…!相変わらずというかなんと言うか…紫陽花さんは紫陽花さんですね」
『そう?まあ私は私だよ。ルキア……待っててね?』
「!?」
壊牙の言葉に目を見張るルキア
「ですが…!それは紫陽花さんの…」
『私の?いいじゃない、家なんて。』
「え?」
『アナタ達朽木家やらと違って私達は自由なの。それに、………もし不自由でも私は私のしたいようにするわ』
そう言いニシシと笑う壊牙
「……紫陽花さんはすごいですね…私にはそんなことできません…」
『そう?…でも私もルキアみたいにはできないよ。』
遠いところを見つめぽつりと言う
「紫陽花…さん?」
『……ルキア、待っててね?』
「……ありがとう、…ございます…」
『また来る!ばいば〜い♪』
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『"私みたい"…か、できっこないよ…………紫陽花…会いたいなぁ…』
独り呟き空を仰いだ