第10章 二人ノ死神
その言葉にに顔を上げる一護
「!!ある…のか!?どうやるんだ!?どうしたら行ける!?教えてくれ!!」
「勿論 教えますよ。ただし条件が一つ。」
人差し指を立て浦原は言う
「これから十日間、アタシと一緒に戦い方の勉強しましょ。」
「べっ…何だそれ!?修行でもしろってのか!?そんなヒマねーだろ!」
一護は激昂する
「ルキアは尸魂界でいつ殺されるかわかんねーんだぞ!?そんなコトしてる間に少しでも早く…」
「わかんない人だな」
一護に杖先を向け言う
「言ってるんですよ、今のままじゃキミは死ぬ、と。勝てるんスか?今のキミが彼らと戦って。アタシは今回敢えてキミを彼らと戦わせました。それはそうした方が口で言うよりキミには解り易いと思ったからなんスよ」
「(何だ…この威圧感……!?切先を…突きつけられてるみてぇだ…)」
「今のキミの実力じゃ、尸魂界で戦うには何の役にも立たないって事実をね」
部屋の隅では黒猫が一匹
「キミは弱い。弱者が敵地に乗り込むこと、それは自殺って言うんスよ。「朽木サンを救うため」?甘ったれちゃいけない」
そして、浦原は凄んだ
「死ににいく理由に他人を使うなよ。」
「尸魂界は…通例、殛囚の刑の執行までに一月の猶予期間をとります。それは朽木サンの場合も同じ筈。
これからキミをイジメるのに十日間。
尸魂界の門を開くのに七日間。
そして尸魂界へ到着してから十三日間。
充分間に合う」
「十日で俺は強くなれるか?」
一護の脳裏に過ぎったのは雨に濡れたルキアの後ろ姿
「勿論。キミが心から朽木サンを救いたいと願うなら。
想う力は鉄より強い。半端な覚悟ならドブに捨てましょ。
十日間アタシと 殺し合い、できますか?」
「どーせ俺ができねえっつったら誰もやる奴いねえんだろ。
しょうがねえっ!やってやろーじゃねえか!」
雨が止んだ 気がした。