第10章 二人ノ死神
───────
一護は朽木白哉に敗れ雨の中倒れていた
痛え
体が重い
寒い
痛え
血が止まらねえ
血が
カラン
雨が止んだ
気がした
───────
…痛くねえ
…?
やべぇ
俺もいよいよ死ぬのか
これ多分死にかけて痛みも何もわかんなくなってんだ俺
そういえばさっきまであんな冷たかった体も
なんかあったかい気がする
…あったけえ…
目を開ける一護
「むっ!?」
「オぎゃぁああああああ!!」
目の前にある顔に絶叫する一護
「おお!素早い反応!良いですな!」
「ちっ…近い近い近いっ!!」
「店長!黒崎殿が目を覚ましましたぞ店長!!」
「テメー見たことあるぞ!ゲタ帽子の仲間だろ!なんで俺のフトンに入ってんだよ!?出てけっ!!」
そう言い暴れる一護
ズキッ
「(…あれ?──俺…死んでねえ………──どうしてだ…?…てか、よく見たらここ俺ん家じゃねーよ!どこだここ!?)」
「ホラホラ、ダメでしょ黒崎サン。傷なんてまだまだ塞がっちゃいないんだ」
そう言い入って来たのは浦原
「あんまり動くと死にますよン♡」
「…ゲタ帽子…!…そうか、ここ、あんたの家か」
「ご名答♡」
パチンと扇子を閉じる
「…そうだ……あそこには石田も倒れてたろ?あいつどうした?あいつもここに?」
「帰りしたよ彼は。帰り際、心配してましたよ。黒崎サンのことを」
「石田が?俺を?まさか」
「"朽木サンを救えるのは彼だけだ"、と」
「…「俺だけ」か、はっ、どーしろってんだよ俺に」
去るルキアの後ろ姿を思い出し一護は言う
「ルキアは尸魂界に帰っちまったんだぞ!!どうやって尸魂界まで追っかけろってんだ!?どうやって助けりゃいいんだよ!?できやしねーじゃねえかっ…!」
声を荒らげる一護に浦原は言った
「…本当に無いと思いますか?
尸魂界へ行く方法。」